イアン・ナオ
イアン・ナオは、十二国時代のリオン国の政治家、軍人。”イアン”は自ら改称した名で、出生名はワクゥ。”イアン”は英雄名となっている。父は三国時代の名臣トゥシィ・ナオで、親子で英雄名顕彰されている唯一の例となっている。リオンの名宰相として善政を施すかたわら、ノヴァール史上初の成文法を定め、後世のノヴァール社会に多大な影響を与えた。
概要
トゥシィ・ナオの末子として生まれる。国民から強い尊敬を集める名臣の子として何不自由ない幼少期を過ごしていたが、三国分裂がはじまりノヴァール全土が混乱しり激動の時代になったことで、名家の子である彼もまた苦労の絶えない若い頃を過ごすことになった。このころより国家における法の重要さに着目しており、厳密な法による安定した国家運営の実現が彼の目標の一つになった。このころ、自身の名を「鉄の意志」を意味するイアンと改称したが、これはその目標に対する自身の決意を表したものとされる。
父の名声はもとより、その豊かな才も強く受け継いでいた彼は、ほどなくして周囲の注目を集めるようになり、事実上ミハラ国の後継国家であったリオン国の宰相に登用される。これまた父と同じく、内政・外交・軍事の多方面で優れた功績を挙げていく。そうしたなかで、彼は自身の目標であった成文法の制定に取り組むこととなったが、当時のノヴァールでは法による統治は一般的ではなく、むしろ否定的なものとされており、内外より強い反発があった。しかしながら、自身の名の通り「鉄の意志」をもってそういった多くの反対の声を押しのけ、史上初の成分法である万物四十二法を成立させた。以降リオンはより発展し、十二国の雄になった。
彼が法による統治で成功したことで、以降他国でも法が制定されることとなり、ノヴァール社会は進歩的な発展を遂げることとなった。ジーク・ノームのイド学などにも多大な影響を与え、そのノームをはじめロック・ハックマンなど後世の超大物たちに深く尊敬されることとなった。
ロック・ハックマンは、「法は民を締め付ける厳しいものと批判されたが、彼の鉄の意志は民の事を何より考えてのものであった。万物四十二法を見ても、それが慈愛に溢れていることを容易に感じることができる。」と評している。